漢方薬はどんな病気に効くのですか。

漢方は値段が高くつくと聞きますが、、。

漢方は長く飲まないと効かないのでしょうか。

漢方薬に副作用はないのですか。

漢方薬と西洋医学の薬を併用しても大丈夫ですか。

人に勧められた漢方薬を出してもらえますか。

皮膚科の病気でもみてもらえますか。

肥満に効く漢方はありますか。


漢方薬はどんな病気に効くのですか。

ほとんどの病気に使用可能ですが得意不得意はあります。
不得意な疾患の例としては
高血圧症糖尿病があります。例えば血圧が高い時に使う降圧剤、血糖が高い時に使う血糖降下剤のような強い効果はありません。しかし、高血圧糖尿病にも漢方は有効です。体質に働きかけ肥満を解消したり、
身体を丈夫にすることによって高血圧や糖尿病が改善する方は非常に多いのです。得意な疾患は非常に多いです。例えば
小児の虚弱体質や、アトピー性疾患には非常に有効です。また女性の冷え性更年期障害花粉症慢性の胃腸症状老化現象なども得意な分野です。病気自体を治すのではなく病気を治す力をつけるので同時に2つ以上の体調の不良が治ることもがしばしばあります。



漢方は値段が高くつくと聞きますが、、。

当院では漢方治療も保険診療で行っていますので、そのような心配はご無用です。
漢方治療は高いと誤解される原因はいくつか考えられます。
まず、漢方薬を診断を受けずに薬局で買ったり、通信販売などで買って月に万単位の高いお金を払っている人がいますがあまり感心できません。
漢方薬は西洋医学と違って血圧が高ければ血圧を下げる薬を使えば良いというわけないかないのです。暑がりの人寒がりの人血液の流れの悪い人水分の流れの悪い人気の流れの悪い人などの診断をして一番最適な漢方薬が決定されます。
体質の合わない漢方薬は全く効果はありません。
東洋医学の専門医資格のある医師の治療を受けることをお奨めいたします。



漢方は長く飲まないと効かないのでしょうか。

そんなことはありません。
病気にもよりますが。たとえば風邪のひきかけに漢方薬を使うと30分ほどで効果を実感できます。体質改善を希望する場合や慢性肝炎などの病気では確かに効果がでるのに時間がかかりますが、通常の病気は2週間以内に効果はでるはずです。効果が出ない場合は再考して処方を変えるべきで効果が出ないのに飲み続けるのは良くありません。



漢方薬に副作用はないのですか。

漢方には副作用が全くないと思われている方が多いようですが、実際にはあります。しかし、漢方は多種の生薬をバランス良く組み合わせる事によってその悪い作用がでにくいように配合されています。ですから、西洋薬と比べればマイルドといえます。
実際の副作用は
麻黄による胃のもたれ小柴胡湯による間質性肺炎甘草による低カリウム血症が知られています。しかし、いずれも飲んだとたんに具合が悪くなる急激なものではなく、また副作用の起こる頻度も西洋薬に比べると確率が低いです。したがって、医者も副作用の出現には気を配っていますので定期的に通院し、きちんと診察を受けていれば大事に至る事はありません。
このことは、一般の西洋薬にも当てはまる事です。どんな薬にも良い作用と悪い作用が両方あるということです。



漢方薬と西洋医学の薬を併用しても大丈夫ですか。

基本的には問題ありません。
ただし漢方の知識がなく西洋薬と処方すると副作用の出やすくなる組み合わせは存在します。また
抗癌剤の副作用を軽減するために漢方薬を用いたり漢方薬を併用することでステロイド剤など副作用の強い薬を少量に抑えたりと、併用によって治療がよりうまくいく場合も多いのです。



人に勧められた漢方薬を出してもらえますか。

漢方薬は患者さんの体質に合わせて処方するものですから体質が違えば同じ症状でも全く効果はありませんし、 正反対の薬が同じ症状に効くこともまれではありません。
身体に合わない薬を服用すれば体調が悪くなることもありえます。
人に勧められた漢方薬を自己判断で服用して具合が悪くなり漢方に不信感をもたれてはまことに残念です。
どうぞ医師の診断を受けて体質に合った薬をお飲み下さい。



皮膚科の病気でもみてもらえますか。

当院はアレルギー科もありますのでアトピー性皮膚炎の治療を行っております。
漢方により体質を改善強化し
薬のいらない身体をつくることを目標としております。
ステロイド剤はなるべく最小限度の使用をこころがけておりますが、『絶対ステロイド剤は使わない派』ではありません。漢方薬を飲むと特に小児の場合肌はもち肌になってきて傷が付きにくく傷がついても直ぐに治るようになってきます。
 大人の場合は
ストレスが強い場合、血液の汚れが強い場合、水のながれが悪い場合、気の流れが悪い場合など状態に応じいろいろな漢方を使い分ける必要があり少し時間はかかりますが確実に改善します。
10年20年と続いたアトピーでも塗り薬が必要ない状態まで持っていくことも十分可能です。



肥満に効く漢方はありますか。

肥満の解消ほど成人病に効く薬はないと言って良いでしょう。高血圧糖尿病高脂血症痛風、の4つの病気に同時に効く薬など存在しませんが、ダイエットに成功すれば4つとも治るのです。
 やせる健康食品として宣伝しているものは数多くありますがほとんどは大きな効果はありません。漢方薬も飲むだけで痩せるというのは言い過ぎであると思います。
 
ダイエットの原則はカロリー制限であり、漢方はやせやすくなるように補助するものと考えてください。

1)食べ過ぎ飲み過ぎ型
 油っこい物、甘い物の食べ過ぎや酒の飲み過ぎによる肥満です。このタイプは原因がはっきりしていますからそれを止めればやせられます。逆に言うと漢方だけでは体調はよくなりますが、やせにくいタイプです。  
 
平胃散などを用います。
 
 2)胃腸虚弱型
 胃腸の虚弱からくる水太りのタイプ。色白で汗かきの水太りで疲れやすく、冷え症の場合も多いです。
 
防已黄耆湯(加ハトムギ)などを用います。
    
 3)血液の汚れ型
 全身の血のめぐりが悪くなってやせにくい状態です。月経不順、無月経、便秘がある場合。
桃核承気湯を用います。
 
 4)ストレス型
 ストレスにより血のめぐりが悪くなりまたストレスにより食欲が異常に亢進し食べ過ぎる状態。
加味逍遥散大柴胡湯(加ハトムギ)防風通聖散を用います。一般的には防風通聖散が有名で事実効果も強いです。