NHKサイエンスアイ

6月2日土曜日、夜11時半、NHK教育テレビ
サイエンスアイ.「受動喫煙からこどもを守れ」に当会の加治正行医師が出演しました。


以下内容の要約
アナウンサーの山口勝さんと中森友香さんが出演

山口「世界中で毎年400万人が喫煙で亡くなっている、日本では毎年10万人が喫煙で亡くなっている」
受動喫煙には副流煙と呼出煙があり、副流煙には発ガン物質が主流煙の5から10倍ふくまれているとの説明

WHOのキャンペーンにつづいて
日本医師会会長の坪井栄孝先生より「日本人は間接喫煙に対して寛容、タバコが健康に悪いことは事実、こどもを生むお母さん、こどもを育てるお父さんお母さんはタバコの害を知るべき」との御発言がありました。
中森さんは副流煙の方に発ガン物質が多いことにびっくり

カリフォルニア州が試算した受動喫煙による死亡者数は4万人から6万8千人と5月11日に国立ガンセンターの山口なおと氏が試算を発表、
日本で毎年1000から2000人が受動喫煙で肺ガンになり亡くなっている。

カナダのタバコのパッケージの紹介Don't poizon us 子供が二人で訴えている
マナーを守りましょうという問題ではなくなっている

国立公衆衛生院
 副流煙での指の温度の低下をサーモグラフィーで示す。
 ウサギに副流煙を吸わせると毛細血管の血流が流れなくなる

タバコの煙によって白血球が血管の壁にとり付き、傷つけ、
コレステロールが血管の壁にしみこむ

県立こども病院の加治先生
 「タバコの煙を吸わない環境で育ててあげるのが親の責任」
 アンケートでは喫煙する親の3分の1はこどもの前でタバコを吸っており、
 血液中の鉛濃度が上昇
「鉛が脳の細胞に蓄積し知能指数の低下を招く」と警告

妊娠中のタバコ
 喫煙者のへその緒の血管が示され白く見えるのはタバコの煙で血管の表面が傷つき
 白く泡状に変化しているとの解説
 
 大阪府立公衆衛生研究所
  妊婦の喫煙で生まれたばかりのこどもの尿から母親の10から20分の1の
  コチニンが検出。一酸化炭素なども同じ割合で移行しているであろうと
  
愛知県ガンセンターの富永総長が出演
 ニコチン、COの害の説明
 受動喫煙で赤ちゃんの成長が悪くなる、死産、流産が多くなる、低体重児になる。
 生まれてすぐの死亡率が高くなる。
 
 カリフォルニア州の発表した受動喫煙の害の説明。
 1981年の平山先生の受動喫煙による肺ガンの増加の報告を紹介
 受動喫煙で肺ガンの危険性は1.3倍になる
 
ここで山口アナウンサーがJTに問い合わせたところFAXで回答があったとの報告。
JT「目、鼻、のどに対する影響はあるが肺ガンとの関連は明確になっておらず、
今後の研究課題」
 富永先生「JTとしてはそう答えるでしょうが、受動喫煙で発ガンの確率が高くなるのは医学的常識である」
 
粉じんとCO
アメリカでは主な公共の建物では完全禁煙であるが日本では効果的な分煙ができていないのが現状

循環型空気清浄機は効果なし。
局所型空気清浄機は40cmはなれると効果少ない
いずれもタバコの煙の90%をしめる目に見えないガス成分はほとんど取り除けない。

岡山京大教授
 排気で出してしまうしかないが、外の大気を汚し周辺に迷惑をかける。
 空気清浄機などはコスト的に高く効果が少ないことを考えれば全館を禁煙にするのが望ましい。
 
再び富永先生
 「お子さまがいたら家の外で吸う。どうしてもできなければ換気扇のすぐそばで吸う」
 「加えタバコは受動喫煙の原因となる、ぽい捨て条例などあるが吸うべきでない」
 「抜本的には喫煙率が下がるようにする、禁煙の推進」
山口アナウンサー
 「国が喫煙率を半分にしようと目標を掲げたら、いりいろな圧力がかかってこれもできない」
富永先生
 「日本のタバコの価格を倍にすれば2−3割の人はタバコを止めるし確実なJTの増収、
 税金も増収になるし、未成年者の喫煙率低下に有効と、世界的にデータにでている」と
 望月先生のデータをふまえての御発言
アナウンサー
 国民 の健康を犠牲にして税金をとるのは変な話。
 
国立公衆衛生院のデータを富永先生が説明
 タバコの税収二兆四千億
 損失三兆二千億で損失の方が多きい 
 死亡による損失二兆二千億、医療費の増加8600億、これは確実
 
富永先生「日本では長い間政府がタバコにかかわってきており、財務省が3分の2の株を所有している。
これを変えないと抜本的な対策ができない。政府が喫煙対策の法律を作らないと」